京都学生狂奏祭とは
京都学生狂奏祭とは、京大熊野寮の寮外連携局が主催する、祝祭・音楽祭です。
京大や周辺大学の音楽サークルがジャンルレスに集まり、学生オリジナルバンドやプロのアーティストも出演するライブステージに加えてオールナイトの映画上映会やアフターパーティなど様々な企画が行われるドデカ音楽フェスです。
以下では会場である熊野寮や寮外連携局、狂奏祭の趣旨と目的について紹介します。
熊野寮について
京都大学熊野寮は寮生による運営の行われている自治寮です。寮生の自由な発想と、住人という当事者の視点によって、より良い寮を目指して日々運営しています。具体的には、イベント時には寮生有志がハラスメント対策チームを作り、ハラスメントのないイベントを目指したり、オールジェンダートイレを作ったりなどの施策で誰もが住みやすい寮を目指して運営しています。また、寮内の音楽室利用者会議によるライブやclub kumanoというクラブパーティーなど、音楽文化も盛んです。
一方で、全国の他の学生自治寮と同様に廃寮化攻撃を受けています。安く住めて自由な熊野寮を守るために寮生は様々な施策を行っており、このイベントもその一環であると言えます。
寮外連携局について
今回のイベントを主催する寮外連携局は、イベントを打つことで熊野寮を守るという目的で立ち上げられた部局です。イベントをきっかけに寮に訪れてもらい、実際にそこで楽しむことで寮へのイメージアップや寮の活動に賛同してもらうことを狙っています。
ガサや京大当局によるネガキャンにより、熊野寮はなんとなく危ないところだろうという曖昧なマイナスイメージを持っている方もいると思います。
しかし、熊野寮は自治寮だからこその魅力がたくさんあります。これを実際に体験してもらい、熊野寮のことを好きになってもらいたい!クマの量を一緒に守って欲しい!という思いで活動しています。
熊野寮内だけでなく、外に開こうとしており、より広い層の人々に参加し楽しんでもらえるイベント運営を目指しています。そして今回我々寮外連携局は新たな試みとしてこの「京都学生狂奏祭」を企画しております。
寮外連携局のメンバーは熊野寮生を中心としていますが、寮外の京大生や吉田寮生、さらには同志社や立命館、京都産業大の学生もいます。寮外生の視点も取り入れた開かれたイベント運営を心がけています。局員は常時募集していますので興味のある方はSNSでDMください!
狂奏祭の趣旨と目的
京都学生狂奏祭は利益非追求のイベントです。大幅な赤字が出なければそれで構いません。そのため、来場者からの入場料は取らず、無料カンパ制のイベントにしています。なぜ、金銭的利益を追求していないのか、それは他に目的がある、お金稼ぎのためのイベントではなく政治的実践としてのイベントだからです。
イベントの目的として大きく、熊野寮の広報・自治思想の拡大・学生文化の結集と創出の3つがあります。
一つ目の熊野寮の広報とは、イベントをきっかけに熊野寮に実際に訪れてもらい、イベントを楽しんでもらうことで熊野寮にいいイメージを持ってもらうということです。熊野寮は学生から「怖い」「やばい」等、曖昧なマイナスイメージを持たれることが多くあり、それらは警察による機動隊を動員した家宅捜索や、京都大学によるネガティブキャンペーンによって生み出されています。なぜなら熊野寮の自治の思想は、学生を管理しようとする大学や国の潮流に対立するものであるからです。しかし熊野寮の自治は、学生の権利を保障し、自由な活動を担保する魅力的なものです。だからこそ、管理強化に抗い、この自治を守り・広げようとしています。また、熊野寮は吉田寮や他大学の学生自治寮のように大学や国による不当な扱いを受けています。この大学や国による不当な扱いに対抗するには熊野寮生だけでなく、より多くの人の力が必要です。熊野寮へのイメージを上げ、熊野寮に賛同してくれる人をイベントで増やすことで大学や国による不当な扱いへ対抗したいと考えています。
二つ目の自治思想の拡大とは、熊野寮で行なっているような自治をキャンパスや社会に広げていこうというものです。大学自治が形骸化しつつあり、もはや今、大学の意思決定に学生が関わる隙はありません。みんなの公園や道路もさまざまな条例で活動が制限されており、ストリートライブもタテカンも自由にできません。公共的な空間を広げ、公共的な利益を追求しよう・自分たちのことは自分たちで決めようという自治の思想をこのイベントをきっかけにキャンパスや社会に少しでも広げてより良いものにしたいと思っています。
三つ目の学生文化の結集・創出とは、学生が集まれる場を作ることで、今までになかった学生のムーヴメントを作るという目的です。大学による学園祭や学生の自主的な自治活動への介入は止まりません。学生が自由に交流できる場所は数少なくなっています。京都学生狂奏祭では軽音サークルもjazzサークルも、ブルーグラスサークルも和楽器サークルも、音楽であればボーダーレスにサークルを集めます。学生が自由に音楽を楽しめて、自由に集まって交流できる場を作り出したいと考えています。
こうした目的を達成するために、本イベントでは「寮生と寮外生」「演者と観客」「主催と演者」などの立場の違いや性別や人種などあらゆる属性の差異を減じるような施策を多く行い、フェス公共圏的な自由や平等を作ることを目指しています。そうして、人間解放が行われる音響実践として自律・自治空間の創出を目指します。